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メモとログ

切り裂きジャックの告白

切り裂きジャックの告白 中山七里 角川文庫

今作も大どんでん返しが面白かった.

内臓をごっそり取り除かれた絞殺体が見つかり,ジャックを名乗る犯人からの犯行声明文がテレビ局に届き,犯行が続く.一見何の関係もないように見えた被害者達だが,臓器移植のドナーが同一人物であることが判明.3人目の被害者が移植手術後に堕落した生活を送っていたため,ドナーも浮かばれないと世間から批判されていた.そのため,この時点の犯人候補はドナーの家族(母親).しかも母親はレシピエントの情報を移植コーディネーターから聞き出していたため,ますます怪しい.

移植コーディネーターはレシピエントの情報をドナーに提供するという違反を犯していたため警察にレシピエント・ドナーに関する情報を提供せず,自身でレシピエントに注意喚起をしていた.このコーディネーターはマジでクソ.

実は,ドナーの臓器摘出はレシピエントの移植手術を行う病院関係者が行うのが一般的だが,この摘出手術ではドナーが入院していた外科医が全ての臓器摘出を行った.この時,消毒が不十分な器具が原因で臓器は汚染されており,レシピエントが術後感染症にかかる恐れがあった.というわけで,犯人は執刀医の可能性が高まった.実際,4人目のレシピエントが「ドナーに関する情報を教えてやる」と電話で呼び出された場所に凶器を持った執刀医がいた.

執刀医が現行犯逮捕されたんだけど,実は摘出手術に参加した看護師(執刀医の奥さん)が真犯人だったというオチ.

内容: 東京都内の公園で臓器をすべてくり抜かれた若い女性の死体が発見された。やがてテレビ局に“ジャック”と名乗る犯人から声明文が送りつけられる。その直後、今度は川越で会社帰りのOLが同じ手口で殺害された。被害者2人に接点は見当たらない。怨恨か、無差別殺人か。捜査一課のエース犬養刑事が捜査を進めると、被害者の共通点としてある人物の名前が浮上した―。ジャックと警察の息もつかせぬ熾烈な攻防がはじまる! (Amazonより)